これからどんな展開になるのかがとても楽しみな『とある飛空士への追憶』

とある飛空士への誓約 1 (ガガガ文庫) とある飛空士への誓約 1 (ガガガ文庫)
著者:犬村 小六
販売元:小学館
(2012-09-19)
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 「飛空士」シリーズの最新シリーズ。ここまでの3シリーズもスケールの大きな話でしたが、今シリーズは更にスケールの大きな話となっており、分かりやすく伏線も張られていて、しかもそれが今後のストーリーにどう絡んでくるかがわからない、それくらい大きな話になっています。ただまあ、タイトルにも入っている「誓約」が大きく絡んでくるのは間違いなさそうです。

 今までの「飛空士」シリーズと同様、今回も「空」に関する話で、主人公の坂上とその幼馴染のミオ・セイラ、そしてそして坂上と因縁の深いイリア・クラインシュミットが話の軸に絡んできます。この3人を含んだ7人の士官候補生が乗る飛空艇の親善飛行が物語の始まりになります。今作は群像劇としての側面が強く打ちだされていて、各登場人物の背景がしっかりと描かれています。もちろん空戦の迫力も今まで通りで、読んでてとてものめり込んでしまいました。恋の雰囲気も匂わされていて、これからどんな展開になっていくのかが楽しみでたまりません。

やたら濃かった『ベン・トー』短編集

 久しぶりの短編集でした。が、サブタイトルの「濃厚味わいベン・トー」のとおり、やたらストーリが(変な意味で)濃かったです。ある意味ストレートでしたね。短編集でおまけということもあり、いつも以上に下ネタ多めです。あとがきにも書いてあるんですが、一度に読むと胸焼けしてしまうかもしれません。それくらい「濃い」です。

 しかし……、「アオちゃん」は本当に大丈夫なんですかね(笑)? 訴訟されたらアウトな気がします(笑)。

『珈琲店タレーランの事件簿』

 表紙に惹かれてなんとなく読んでみました。コーヒーが好きな主人公がたまたま入ったコーヒー店で出会った至高のコーヒーとそれを淹れるバリスタ、切間美星。彼女はとても聡明な女性で、彼女のもとに届けられた謎はたちまち「挽かれて」しまう――。

 といった感じのライトミステリを期待していたんですが、序盤がミステリとしても普通に物語としてもつまんなくて、後半は結構面白いかなーって思ったんですが、最後の最後に台無しになっちゃいました。文章の技巧とか、ミステリ的などんでん返しとかを重要視しすぎて、物語としての面白み、ストーリーの大事さを失っているように感じました。美星のキャラクターも、それなりに魅力的ではありましたが、最後まで焦点がボヤけたままだったように感じました。すごくつまらないというわけではなかったですが、なにか残念な作品でした。