丈目線の『記憶の海 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season VII』

 今巻では丈の目線で、勝利が去ってからの日本の様子が語られます。丈の気持ち、由里子さんの周りの様子、そしてかれんの様子──。読んでいて非常に心が締めつけられるような感じです。そしていろいろな決断もあったようで、次巻はかなり大きく話が動くような気がします。……って、単行本だともうでているんですけれどね。ともあれ、来年の6月の『おいコー』シーズンまで、これまでの話を軽く読み返しながら楽しみに待ちたいと思います。来年こそは、出たらすぐ買いたいですし、買ってすぐ読みたいですね(笑)。

 しかし、去年の感想を読み返していて思ったんですけれど、勝利がオーストラリアに渡ってから今巻含めてまだ3冊しか経っていないんですね。もっと長い間、オーストラリアでの話が続いていたような気がしました。まあ、前巻から1年経ってますからね……(笑)。

テンポの良さが最高な『甘城ブリリアントパーク』2巻

 寂びれたテーマパークを舞台にしたファンタジーも2冊目。文章のテンポとか、単語の作り方が素晴らしくて、一気に読めます。“モナピー”とか、どうやったらこんな単語が生まれてくるのか不思議でなりません。安達映子さんはちょっと卑怯だろうとは思いましたが……(笑)。ラブコメ要素が適度に混じっているのもイイ感じでした。ミュースが相変わらず可愛かったんですが、まだキャラクターが掴みきれていません。1巻では“有明”とか言ってましたし(笑)。いすずはいすずでややテンプレ的ではありますがツンデレキャラとして本気を出してきた感がありますし、このへんも3巻での展開に期待したいところです。

 しかし、賀東先生の文章は若いですね。長くやっていて文章を若く見せるテクニックを持っているのか、本当に文章が若いのかはわかりませんが、いずれにせよ凄いことだと思います。

葛藤と悩みだらけの『ゴールデンタイム列伝』

ゴールデンタイム列伝 AFRICA (電撃文庫)
竹宮ゆゆこ
アスキー・メディアワークス
2013-08-10

 中編集。香子の爆走っぷりが面白い「束の間の越境者」で一番笑わせてもらいましたが、柳澤の葛藤が描かれている「ユア・アイズ・オンリー」も面白かったです。柳澤と香子の過去の話は珍しかったですからね。しかし、エクソシスト……(笑)。あの絵を思い出すだけで、笑いがこみ上げてきてしまって困ります。

 そして、秋からのアニメにも期待ですね。