iCloud Drive

複数台もちの悩み

 筆者は現在、『iMac (21.5-inch, Late 2013)』と『MacBook Air (13-inch, Mid 2013)』の2台のMacを使っています。これを読んでいる人の中にも、複数台のMacを使い分けているという人はいるのではないでしょうか。複数台のMacを使っているときに困るのは、アプリの設定の同期です。iCloudで自動で同期してくれるアプリ(『Tweetbot』など)はいいのですが、同期設定のないアプリで細かい設定を同じにできていないと、思った操作ができず、非常にストレスになります。

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 例えば、トラックパッドユーティリティアプリの『BetterTouchTool』を以前紹介しましたが、どのMacでも同じジェスチャーで同じ操作をしたいですよね。

 こういった設定を『Dropbox』などで同期するやり方はいろいろなところで紹介されていて、実際に筆者も『Sublime Text』の設定を『SpiderOak』で同期していて、以前紹介しましたね。ただ、『BetterTouchTool』はMacでしか使いませんし、Macアプリの設定をWindowsなどから参照できても無駄なだけです。ここは、『iCloud Drive』を使って設定を同期させましょう

便利機能“シンボリックリンク”

 『iCloud Drive』は『OS X Yosemite』から追加された機能で、『iCloud』のデータに普通のファイルのようにアクセスできる機能です。『iCloud』を普通のオンラインストレージのように使え、普通のファイルも置けるので、これを使ってアプリの設定を同期させます。

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 iCloud Driveフォルダに適当な名前のフォルダをつくります。

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 そのフォルダにアプリの設定ファイルをもってきます。『BetterTouchTool』ならユーザーフォルダ→“ライブラリ”→“Application Support”→“BetterTouchTool”にあるので、このフォルダを丸ごとコピーします。元のフォルダは削除してしまってかまいません。

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 フォルダを移動させたら、このフォルダのシンボリックリンクをつくります。シンボリックリンクは『ターミナル』を使って作成できます。詳しくは以下の記事などを参考にしてください。

 そのほか、シンボリックリンクは『XtraFinder』を使うと簡単につくれます。ちなみに『iCloud Drive』のフォルダは、パス上は“/Users/【ユーザ名】/Library/Mobile Documents/com~apple~CloudDocs/”にあります。

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 シンボリックリンクができたら、後はシンボリックリンクを設定ファイルが元あったフォルダに移動して、名前を調整して完成です。他のMacでは、シンボリックリンクを作成して、設定ファイルをその作成したシンボリックリンクで置き換えればオーケー。これで他のMacでも設定を使えます。アプリの設定だけでなく、“Quick Look”のプラグインなども同期できるので、いろいろ応用ができそうです。

おわりに

 アプリの設定というのはインターフェースそのものです。

 アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。

 馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。

Happy Hacking Keyboard

 情報化社会、パソコンを使えるのは前提で、よりよくパソコンを使うためにはインターフェースが一番大事だと思っています(だからキーボード大好きな訳ですが)。インターフェースとしてのアプリの設定を少しでも便利にするために、このエントリが役に立てたなら幸いです。