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犠牲の上に世界は成り立っている

 大学生協というのは、型落ちのノートパソコンを純粋無垢な大学1年生に高値で売りつけるところです(偏見)。そんな大学生協の犠牲となる人は数多く、かつての筆者もそうでした。筆者が大学入学時に買ったのは、すでに型落ちとなっていた『Let'snote CF-W7』でした。

 時は流れ、作業環境をMacに移し、でもモバイルパソコンも欲しいなぁと思った筆者は、この『Let'snote』をカスタマイズすることにしました。約1.3kgと軽いですしね。そんな筆者が以前書いた日記がこれです。

 でまあ、久しぶりにこの記事を見たらリンク切れとか古い情報とかが結構あったので、ある程度簡単な部分だけを抜き出して、リライトしてみようかなと思います。別に、ネタ切れってわけじゃないですからね!

【注意】パソコンの分解については自己責任でお願いします。「動かなくなった」ってなっても筆者は責任は取りません。

メモリを3GBにカスタマイズしよう

 まずはメモリをカスタマイズしましょう。おそらく、買ったままだとメモリは1GBです。オンボードメモリ1GBに加えて空きスロットがあるので、そこに追加のメモリを差しこんじゃいましょう。メモリの仕様は“DDR2 200pin 667MHz”です。公式の動作保証は合計2GBですが、3GBまでは非公式に動作が確認されているので、どうせ買うなら2GBのメモリを買うといいと思います。筆者は『PNY 2GB PC2-5300 667MHz DDR2 Notebook SODIMM』を買いました。これ以外のメーカーでも、現在2000円前後で購入できます。

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 メモリの増設自体も簡単です。裏蓋は小さめのドライバーで簡単に開けることができます。詳しくはこちらのリンクを参照してください。

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 メモリを増設すると、アプリを幾つか開いた時のスピードが全然違います。以前「Mac初心者はこれ見とけ! 絶対に間違えない『MacBook』の選び方」でも書きましたが、パソコンのカスタマイズで一番コストパフォーマンスがいいのはメモリの増設です。

HDDをSSDにカスタマイズしよう

 モバイル用に使うならば、HDDは“SSD”に変えたほうがいいでしょう。起動時間が全然違いますし、物理的な重さも軽くなります。HDDと比べて割高ですが、最近なら64GBから128GBのSSDは結構お手頃な価格で買えます。モバイル用途なら、これくらいの容量でも十分です。これを機に、SSDのスピードを体感しましょう。

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 そしてここで注意点がひとつ。HDDを外してしまう前に、“マイコンピューター”→“ローカルディスク(C:)”にある“util”フォルダを、USBメモリかなにかに保存しておきます。これをしておかないと後からちょっと面倒くさい事になってしまいます。気をつけましょう。

 さて、準備が終わったら早速分解しましょう。細いドライバーがあれば十分です。参考にしたいサイトはこちらです。

 この作業もそこまで難しくはありません。落ち着いて、ケーブルなどを無理やり引っ張ったりしなければ大丈夫です。簡単すぎて拍子抜けしてしまうかもしれません。

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 しかし、このままではSSDには何も入っていません。元のHDDからなにかソフトウェアを使ってデータをコピーしてもいいのですが、次の節でもっと根本的な解決をします。

OSを『Windows 7』にカスタマイズしよう

 『CF-W7』の初期OSは発売時期的に『Windows Vista』だと思います。しかし、『CF-W7』のスペックでは(主にグラフィックの問題で)『Vista』はちょっと荷が重いです。てな訳で、OSも乗せ換えちゃいましょう。世間的には『Windows 8』が話題ですけれど、『CF-W7』の画面解像度は『Windows 8』の動作要件を完全には満たしていません。という訳で、安定している『Windows 7』をOSに選びましょう。

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 ここでお得なのが“DSP版”です。簡単に言うと、パーツと一緒にOSを買い、そのパーツと一緒に使うことを前提に安く売ってくれているバージョンです。自作パソコンを使う際にはお世話になると思います。これはかなりお得なので、上記のSSDを買うときに一緒に購入してしまいましょう。バージョンは“Home Premium”でもなんでもいいのですが、32bit版をオススメします。なぜなら、32bit版の仕様要求がメモリ1GB以上なのに対し、64bit版は2GB以上です。“メモリの目安は最低仕様要求の2倍”とよく言われるのを考えると、メモリを3GBまでしか積めない『CF-W7』では32bit版の方が良いでしょう。

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 先ほどの手順でSSDを入れたら、DVDドライブに『Windows 7』のインストールディスクを入れ、BIOSを起動しましょう。電源を入れ、F2ボタンを連打しているとBIOS画面に移行します。ここで、DVDドライブを一番上に持ってきます。こうすることで、再起動するとDVDが一番最初に読み込まれ、Windowsのインストール画面になります。読み込まれない場合は、BIOSのメイン画面にある“DVDドライブ電源”を確認してみてください。詳しくは以下のサイトを参照です。あとは、画面の支持に従ってインストールすれば大丈夫です。

 これで『Windows 7』が使えるようになるのですが、ここで問題となるのが“ホイールパッドユーティリティ”です。Panasonicの公式ページで配布されているのですが、クリーンインストールした『Windows 7』には直接入れられません。先ほど保存した“util”フォルダを“ローカルディスク(C:)”にペーストし、その中の“prunonce”に入っている“PRunOnce.reg”を右クリック、“結合”を選択し、再起動をかけます。これで、ホイールパッドユーティリティを公式のインストーラーからインストールすることができるようになります。これについては、以下の記事を参考にさせてもらいました。

ファンの掃除は難しい

 『CF-W7』のファンは非常に壊れやすいです。以前どこかのサイトで“ファンが壊れやすいノートパソコンの例”に挙げられていたくらい壊れやすいです。筆者の『CF-W7』もおそらく壊れてます。ファンはほとんど回っていません。そのせいで2時間くらい使ってるとCPUが熱でヘタってきますが、まあ仕方ないですね。

 分解掃除もやろうと思えばできるのですが、『Let'snote』は全体的に分解が難しく、これも例外ではありません。ファンを掃除・交換するためにはほぼ完全に分解する必要があります。筆者は怖くてまだやったことはありません。一応、参考になりそうなリンクを貼っておきますね。

おわりに

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 そんなこんなで筆者はこうして『Let'snote CF-W7』をカスタマイズしました。これであと1年は戦えると自負しています。ここまでのカスタマイズ、価格の合計は約2万円(ネット最安値の合計)です。『CF-W7』を買って持て余しているという人は、延命措置としてちょっとお金を使ってもいいのではないでしょうか。この記事が、そんな人達の背中を押すことになれば幸いです。