腹を抱えて笑わせてもらった『ゴールデンタイム』6巻
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ゴールデンタイム (6) この世のほかの思い出に (電撃文庫) [文庫] 著者:竹宮ゆゆこ 出版:アスキー・メディアワークス (2013-04-10) |
傷心の香子、どうしたらいいのか分からない万里、そして閉ざされた記憶……。と書くとシリアスっぽいですが、内容はいつものごとくゆゆ子先生の暴走文体(褒めてます)に彩られた、シリアス展開をぶっ飛ばすような小ネタ満載の抱腹絶倒(やや誇張)の1冊です。本筋としては、万里がようやく過去の自分と向き合う決意をして、新たな一歩を踏み出しました。果たして万里の記憶はどうなるのか、戻ったとしてどんな選択をするのか、今からとても楽しみです。
“外”への繋がりが生まれた『ココロコネクト アスランダム』下巻
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ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫) [文庫] 著者:庵田 定夏 出版:エンターブレイン (2013-03-30) |
長かった文研部と〈ふうせんかずら〉の物語も遂に終わり。学校全体が孤立空間となり、閉じ込められた生徒全員に“現象”が振りかかる。文研部の7人は、みんなの、そして自分たちの記憶を守るため、〈ふうせんかずら〉と一時的に共闘し、孤立空間からの脱出を目指す──。といった感じの本編最終巻です。今までは部員同士の心と心の鍔迫り合いといった感じだったのが、今まで蒔いてきた伏線通り、周りとの心の繋がりといった少し大きな話になっています。個人的には前者のまま行ってほしかったとも思いましたが、文研部内での出来事で成長した文研部員が外に働きかけられるようになった、と解釈すればそれはそれでアリなのかもなぁと思いました。必要な要素はしっかりと拾った、いい最終巻だったんじゃないでしょうか。
まあ、後日譚の短編集も出るようですけれどね。足りなかったイチャイチャ成分はそちらに期待したいと思います(笑)。
更に風呂敷の広がった『デート・ア・ライブ』7巻
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デート・ア・ライブ7 美九トゥルース (富士見ファンタジア文庫) [文庫] 著者:橘 公司 出版:富士見書房 (2013-03-19) |
同じ精霊が主役となる2部構成の下巻。DEMに捉えられた十香を士道が救出に向かいます。前巻では全くデレる気配のなかった美九が最後には……ってなったのは、美九の過去も含めて良い演出だったんじゃないでしょうか。そして物語の展開としてはまた一つ進みまして、士道の過去の謎ももうそろそろ明らかにされるのかどうかといった感じですが、十香の謎はまた深まり、物語の風呂敷が更に大きく広げられた感があります。どういったまとめ方になるのかが非常に気になるところであります。
ちなみにアニメも放送中で、現時点で3巻後半の内容となかなか消化スピードが速いですね。このままですと4巻のラストまではやりそうです。単なる予想ですが、アニメオリジナルのラストになるような気がしています。