“普通”であって“普通”じゃない『ココロコネクト プレシャスタイム』

 本編も終わり、それ以降の短編集です。中身は本当に“普通”の高校生の日常なんですが、その普通がとても普通ではない〈ふうせんかずら〉とのアレコレがあったからということを考えるとなんだか感慨深いものがあります。「新入生よ、大志を抱け」は読んでて自分と重ねてしまう部分があってちょっとしんどかったですが(笑)。

 そして改めて、庵田先生と白身魚先生に「お疲れさまでした」と言いたいですね。

人間臭さが更に強調された『僕は友達が少ない』9巻

僕は友達が少ない9 (MF文庫J)
平坂 読
メディアファクトリー

 8巻でようやく本音を言えた小鷹がいよいよ本気出してきて、かなり好感度上がりましたね。それと並行して隣人部の中の人間関係も変わってきて、なかなか盛り上がってきています。特に後半からの生徒会との温泉旅行は、この巻だけでも波乱がありましたが、更にもう一・二波乱ありそうな雰囲気なので、10巻に期待したいところです。次は、発売延期にならないことを期待します(笑)。まあ、体調不良とかでしたら仕方ないとも思いますが……。

過去が切り開かれていく『終物語』上巻

 終わりに向かって進んでいくのかと思ったら、まさかの過去の話でした。過去に戻ったというよりかは過去が引っ張られてきたという感じですが。ここまでずっと謎だった扇ちゃんがメインのお話です。1冊を通して、普段とは違った畳み掛けで、一気に読ませられました。ミスリード系のミステリが好きっていうのもありますが。しかし、このオチは卑怯ですね……(笑)。