やはりスペック不足

 筆者は今まで、サンワのエルゴノミクスマウス『MA-ERGW4』を3年以上愛用していました。

 今年に入ってからは、Windowsで作業するようにもう1台買いました。

 しかし、形状は100点満点なのですが、スペックに難ありな『MA-ERGW4』、Wi-Fiが飛び交う環境で使うと、カーソルが飛んだりと快適に使えなくなってしまいました。ずっと自宅で使っていたので気付きませんでした。気に入っているマウスですが、結構クリティカルな問題だったので、マウスを買い換えることにしました。

 という訳で、Logicoolの『MX Master』を買ってきました。2週連続でLogicoolネタになってしまいましたが(笑)、いろいろとレビューしてみたいと思います。

外観を見ながらスペックを確認

 マウスを選ぶにあたって、“無線”、“大型”の二つの条件があったのですが、思っていた以上に選択肢がなく、またWi-Fiで交信してしまうのも嫌だったので、税込みで1万4000円以上する高級マウスですが『MX Master』を選びました(Amazonだと1万4000円は切っていますが)。

mx_master_02

 パッケージです。高級感ありますね。

mx_master_03

 ガブリアスちゃんも箱の大きさに驚いてますね。

mx_master_04

 箱を明けたら接続方法が書いてあります。Bluetoothと“Unifying”の両方で接続できます。3台のパソコンにペアリングできて、簡単に切り替えられます。

mx_master_05

 “Unifying”のコネクタの他、充電用のケーブルが付属しています。Micro-USBで充電ができて、最大40日間使えるそうです。

mx_master_06

 ガブリアスの手だとちょっと操作できなさそうですね……(笑)。

mx_master_07

 実際に持ってみるとこんな感じです。メインボタン二つとスクロールホイールの他、サイドボタンが二つとサムホイールを備えています。カスタマイズは“Logicool Options”から行なえます。

mx_master_08

 裏面はこんな感じ。レーザートラッキングを採用していて、ガラステーブルなどでも使えるそうです。センサーがちゃんと中央部にあるのがいいですね。

使ってみての感想とか

mx_master_09
via Logicool

 フォルムについてですが、完璧という2文字以外では形容できません。形状、重さ、文句をつけたいと思うようなところが一つもないのです。最初に書いたとおり、筆者はずっと立体的なエルゴノミクスデザインのマウスを使っていて普通のマウスに戻って違和感なく使えるのかなと心配していたのですが、全くの杞憂でした。最初に掴んだ瞬間から、まるでその手の中にずっとあったかのようにフィットして、細かい動きも素早い動きも難なくキビキビと動きます。これには本当にビックリしました。このつくりにだけでも、1万4000円を出した価値はあるなと思いました。

mx_master_11
via Logicool

 しかし、フォルム以外には問題点もいくつかあります。まず、ジェスチャボタンが使いにくいです。マウスを掴んだ状態で親指を机側に押しこむというのは人間工学にケンカを売っているとしか思えませんし、そもそもボタンの感度が悪い気がします。ボタンを押すこと自体がなかなかうまくできませんでした。どこにクリック部分があるかがわかりにくいのがダメですね。ボタンを押しながらジェスチャーなんて到底ムリな話です。ただ、この機能は最初からないものだと思えば、操作のジャマになるものではないので、そこまで気になりません。筆者も買うまではこんな機能があることを知りませんでしたからね。しばらく使ってみた結果、この機能は“Logicool Options”からオフにしました。

mx_master_12
via Logicool

 また、センターホイールの“SmartShift”機能。これは正直なんのためにあるのかサッパリわかりません。ソフトウェアからハードウェアを完全にコントロールできるというのはスゴいなと思いましたけれど、それだけです。長いスクロールならスクロールバーをドラッグすればいいやんと思ってしまいます。切り替えられて便利に思う場面が思いつかなかったのでこちらもすぐにオフにして“クリック・トゥ・クリック”モードに固定しました。

mx_master_13
via Logicool
mx_master_14
via Logicool

 そして、サムホイールとサイドボタンの配置が最悪です。戻る/進むボタンを上下に並べるという挑戦的な姿勢は買いますが、結果的にはただ使いにくいだけになっています。上下に並べていることよりも、それによるボタンの形状の劣化が問題なのかもしれません。また、サムホイールの位置が絶望的で、この位置にサイドボタンがあれば……と思わずに入られません。そもそも、サムホイールが必要な場面というものをもう少し考えてもらいたいです。確かに、サムホイールがあって便利な場面はあるでしょうが、それよりもサイドボタンを使う場面が多いはずですし、そのサイドボタンを押しのけて親指で一番押しやすい位置にサムホイールを置くメリットはないと思います。

おわりに

 そんな感じで、おおむね満足はしているのですが、サムホイールとサイドボタンが悲しいことになっているので、あまり積極的にオススメはできないですね。実際に店頭でガッツリと触ってみておいたほうがいいと思います。筆者も買う前に店頭で触ったのですが、もっとちゃんと考えておけばよかったのですね。使い心地が良ければ家用にもう1台買うつもりではあったのですが……。