まだ煮え切らない『げんしけん』20巻
くじびきデートも佳境に次ぐ佳境、スーがエンジン全開で、波戸ちゃんもエンジン全開で、斑目先輩は急にイケメンになり、ついに総受けを返上か……と思わせての夜の展開には笑ってしまいました(笑)。しかし最後の最後にはイイところを見せてくれました。やはり続きが楽しみで仕方がないです。
相変わらずのゆるい雰囲気『大室家』2巻
内容がなさすぎて感想としては何も書くことがないんですが、そこがこの『大室家』のいいところなので……(笑)。
「このシチュでこう描くか!」な『微熱空間』
蒼樹うめ先生の作品を読むのは実は初めてです。『Spotted Flower』のWeb増刊を読もうと『楽園』の公式サイトを見に行ったときにおもしろそうだったので買ってみました。
両親の再婚で一つ屋根の下で同居することになってしまった高校2年生の赤瀬川直耶と中ノ瀬亜麻音。「姉ができる」、「弟ができる」とだけ聞いていた2人はそれぞれ誕生日が3日しか違わない姉と弟に対して複雑な感情が……。という、「血の繋がっていない姉弟」モノです。ありきたりといえばありきたりですが、高校生らしい心情の描き方は巧いなあと思わせられます。「姉ちゃん」、「直くん」呼びにお互いに照れていたのに1巻の最後ではもう普通に呼び合ってたりと、進展の仕方が微笑ましいですね。
ただ、亜麻音の親友の九条の設定については正直カツカレーうどん感があります。ひっくり返して、直耶の親友の稔が同じ設定だったらドン引きでしょ。
ついについに完結した『家族ゲーム』
ついについに完結しました。2004年から連載されていて、完結が2014年だから丸々10年ですか。筆者が高校生のときに、弟が『電撃PlayStation』を買ってきて、それの付録で読み始めてからだから、オタクに染まる前から読んでいた計算です。そう思うととてつもなく長いですね。
作中でも10年の月日が流れ、物語も大団円を迎えました。中盤からは群像劇となり、様々なキャラクタが恋愛し、新たな進路に進み、と物語を回していきました。正直なところ、「明らかにキャラ増やしすぎだろ」と思うことは多かったですし、「物語全体を俯瞰してこのキャラ必要だったか?」と思ってしまうようなキャラがいないわけではないですが、著者の鈴城先生はキャラの細かいしぐさや、他のキャラとのやり取りで魅力を引き出すことに関しては抜群なので、その豪腕で読んでる最中は気にならないんですよね。で、読み終わった後に「このキャラ誰だっけ?」ってなるという(笑)。カバー裏に人物相関図があるんですが、無茶苦茶な量になっている上に、それでも載っていないキャラがいましたからね(笑)。そのあたりも含めて、長く楽しめた作品でした。鈴城先生にはお疲れさまですと言いたいです。
そして最後には俺の嫁こと遠野さんが……(泣)。あまりに悲しかったので、休みを使ってまた全巻読み直してしまいました。前回の『げんしけん』のときから何も学んでいないですね……(笑)。
もうちょっとパンチが欲しかった『溺れるようにできている』
7年くらい前の作品の完全版です。人付き合いの苦手な佳織と、8歳年上の幼なじみの圭が、色々噛み合わない部分もありながら、特に佳織が成長していって、なんだかんだイチャイチャする話です。ちなみに佳織は同作者の『ファムファタル』のヒロイン・由佳里の姉で、由佳里も物語に登場します。『ファムファタル』とかと比べるとちょっとパンチが足りなかったというか、もっとドロドログチャグチャしてもらいたかったというか(笑)。